2018年09月23日の記事 (1/1)

2018/09/23(日)

 今日は「奥山景布子先生・里帰り講演会」当日です。講演会については、次週の「図書館だより」で舞台裏を盛り込んでたっぷりと書く予定です。昨年書いた「サラメシ舞台裏日誌」よりは短めの話となりますが、すでに沢山溜まっている面白いエピソードも紹介したいと思いますので、ご期待下さい。

 今回の「図書館だより」は先週の予告通りコーナー9「図書館文化祭」について書きたいと思います。先週は空白となっていた展示スペースですが、無事に「『津島』を描いた画家・杉本健吉」が完成しました。この展示を作成するにあたっては、杉本美術館に多くのご協力を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。

 今回の展示は、あくまで「津島と杉本健吉」に焦点を当てたため、取り上げることが出来なかったのですが、杉本画伯といえば私が好きなエピソードがあります。それは志賀直哉が杉本画伯に送った手紙について。少し長いですが、その手紙を紹介します。

―杉本健吉君は日展で続けて賞を貰い、急に世間に認められ、挿絵に装丁に今は流行児となっている。杉本君の家族の多いことを知る私は物質的な意味で、これは大変いい事だと思っているが、画家として杉本君の為に、別に喜ばしい事とは思っていない。何故なら、杉本君はこれから本当の絵を描けば描く人で、今までの絵は世間に認められるに丁度いいうまさに達したというに過ぎないからである。杉本君の絵のうまさは分かり易いうまさだ。感じをよく掴んで、それを要領よく画面に現す技術は却々鮮やかなものである。それ故、杉本君は現在の技量だけでも、日本で稀な才人という事が出来るが、然し、私の杉本君に望むところはもっと大きい。いまのところで止まっていては通俗作家に終わる危険がなしとしない。この危険区域を杉本君が早く出抜ける努力をされることを望んでいる―

 この手紙を、杉本画伯は自身への戒めとして自宅のアトリエに掲げておられたそうです。創作の気構えを教えられるような素晴らしい手紙だと思いました。まだ企画段階ですが、杉本画伯については年度内にもう一度特集展示を予定しています。気長にお待ち頂ければ、と思います。

 「図書館文化祭」は、音楽をテーマとした「音楽会」と、美術をテーマとした「美術展」+「『津島』を描いた画家・杉本健吉」という、三部構成となっています。音楽も美術も大好きな私にとって、今回の原稿作成は「大変だけど楽しい」作業となりました。個人的には、「音楽会」で自分の好きなアーティストの曲を登場させたかったのですが、紹介できる本が見付からなかったため、泣く泣く断念。悔しかったので、小タイトルとして曲名を使いましたが、気付いた方はいますか?

 さて、こうして展示は無事に完成しましたが、次は「10月の本」です。こちらは本当に時間がないのでかなり焦っていますが、NHK「みんなで筋肉体操」のようにしっかり自分を追い込みたいと思います。(き)

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